麻雀用品は丈夫なものが多いので何もしなくてもそこそこ使えますが、やはり綺麗に使えば長く使えます。
麻雀用品のお手入れ方法については、様々な流派があったりしますが、中には間違った方法もあります。例えば牌を水につけ洗いすると、短期的には楽に綺麗にできますが、牌のひび割れ(クラック)を引き起こしてしまったりなどです。
では正しいお手入れの方法とは?と考えると、意外とよくわかっていないかも!という方が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、麻雀用品の正しいお手入れの方法をこの道80年くらいのマツオカさんに伺いました。
※マツオカさんは1945年創業。ずっと麻雀用品を扱っている。2025年現在は3代目の山下社長なので山下社長に伺いました。
目次
麻雀牌の正しいお手入れ方法
まずは麻雀牌のお手入れ方法です。
基本は拭き掃除
麻雀牌は、乾拭きと軽い湿拭きで十分です。汚れが強い場合は、中性洗剤を薄めて拭き、必ず乾拭きで仕上げてください。(マツオカさんコメント)
麻雀牌は使っていると手垢などで汚れてきます。なので定期的にお掃除が必要で、湿らせた布→乾拭きの順で行うとよいです。
1つ1つやると大変なので、牌を全部端に寄せて1面ずつ一気にやるのが定番です。
手積み牌はスベールスプレーでコーティングもあり
ちなみにスベールスプレーというアイテムがあり、これをつけると、牌の表面の汚れをある程度予防でき、かつ牌の滑りをよくしてツヤツヤにできます。
なんですが、全自動卓に入れる牌でこれをするとツルツルすぎて山が積めなかったりするので手積み牌限定にしましょう。
ユリア樹脂に水洗いはNG
一般的な麻雀牌は多孔性のユリア樹脂の主原料です。
そのため、水分や匂いなどを吸着しやすく、水につけると膨張してひび割れの原因となります。
なので、水につけて汚れを落とすなどのやり方は(長く使いたい人には)NGです。
• 主材であるユリア樹脂は水分に弱く、水洗いすると膨潤や変形、ひび割れ(クラック)の原因になります。水洗い、揮発性の油などの使用は避けてください。(マツオカさんコメント)
牌の保管時に注意すべき点まとめ
牌編の最後は保管時の注意点です。
麻雀牌は中に鉄や磁石が入っているため、湿度や温度の変化にもあまり強くなく、極端な温度変化などを避ける必要があります。
具体的に注意すべき点は以下の通り。(マツオカさんコメント↓)
湿度や温度の変化を避けることが基本です。特に全自動牌の場合は、極端な高低温に対しては内蔵されている磁石と樹脂との収縮率の差異によって表面にクラックが生じる場合があります。他、以下の点にもご注意ください。
- 1. 直射日光を避ける
紫外線による黄ばみや劣化の原因となります。 - 2. 牌の温度差に注意
冷暖房の風が直接当たらないように。冬季は牌の上に毛布をかけるなどしてください。 - 3. 重ね置きをしない
長期間、重い物を上に置くと牌が反ったり歪んだりすることがあります。 - 4. ケース内の湿気対策
除湿剤やシリカゲルを入れる、定期的に陰干しするなどして湿気を防ぎましょう。 - 5. 匂い移りに注意
タバコや香水などの匂いを吸着しやすいため、清潔で無臭の環境で保管してください。
麻雀マットのお手入れについて
続いては麻雀マットのお手入れです。
麻雀マットは牌のように膨張したりはしないのでそこまで気にすることはないのですが、いくつか注意点もあります。(コロコロNG等)
前提としてマットは消耗品
マットは消耗品であり、定期的な張り替えが前提です。
張り替えの時期は、手積み用であれば、「摩耗や色落ち、毛羽立ちが目立ってきたら」、業務用(自動卓用)であれば、 1〜2年ごと の張り替えが推奨されます。
手積み用のマットは乾拭き
手積み用のマットは乾拭きが基本。
• 日常のお手入れ
柔らかい布で乾拭きし、ホコリを落とします。軽い汚れは固く絞った布で拭き取りましょう。
• 落ちにくい汚れ
中性洗剤を薄めて拭いた後、すぐに乾拭き仕上げをしてください。
• 寿命の目安
摩耗や色落ち、毛羽立ちが目立ってきたら張り替えの時期です。
自動卓用のマット(ラシャ)はコロコロNG
自動卓の場合は卓にラシャを貼り付けてマットとします。このラシャのお手入れについても基本的には手積み用のマットと同様です。ただ、粘着式のクリーナー(コロコロ)がNGなので注意しましょう。
• 日常のお手入れ
柔らかい布での乾拭きや、またはコードレスのハンディクリーナー・スティッククリーナーを弱モード・ブラシ回転なしで使用し、牌カスや煙草の灰、ホコリを吸い取ります。柔らかめのブラシで軽く拭き取ってもよいです。
• 汚れが付いた場合
飲み物などをこぼしたらすぐに拭き取り、軽く湿らせた布で汚れを取ってから乾拭きしてください。
• 注意点
粘着テープ式のカーペットクリーナー(コロコロ)は、マット表面を毛羽立たせ、寿命を縮めるため使用は避けてください。
• 寿命の目安
業務用では 1〜2年ごと の張り替えが推奨されます。
ラシャの張り替えは専門の業者さんに依頼するのが一般的です。
大阪近辺ならマツオカさんにも依頼できます。
(切って貼るだけなので器用な人ならできなくはないとは思います。自分はそういうの下手なので依頼します)
全自動麻雀卓のお手入れについて
続いては全自動麻雀卓のお手入れについてです。
前提として全自動卓は精密機械なので、本格的な整備は専門知識を持った方に依頼する方が無難です。ここでは自分でもできるレベルの簡易的なお掃除方法を紹介します。
卓枠・側面
卓の枠部分や側面です。アモス系だと樹脂、センチュリーはウレタン素材が多いかなと思います。お掃除方法は以下。
• 柔らかい布で乾拭き
• 汚れが強い場合は中性洗剤を薄めた布で軽く拭き取り、その後乾拭きで仕上げる
マット表面
ラシャの部分と同じですが再掲。
• 柔らかい布やブラシで乾拭き、またはコードレス掃除機の弱モード(ブラシなし)でホコリや牌カスを除去
• 粘着テープ式のカーペットクリーナー(コロコロ)は、毛羽立ちや寿命短縮につながるため使用は避けてください
卓内ターンテーブル(回転盤)
落とした牌が最初に行き着く回転する部分をターンテーブルと言います。ここも長く使っているとほこりや落下物(コイン等)が溜まりがちなので定期的にチェックしましょう。
お掃除方法は以下。
• 表面に付着したホコリや牌カスを、マイクロファイバークロスなどで乾拭き
本格的なオーバーホールは専門業者へ
本格的なお手入れとしては、部品をばらして1つずつチェックしつつ掃除をするという通称オーバーホールという技をする必要があります。
これは岡田プロ(愛知で全自動卓修理を営むプロ)レベルだと30分くらいでできるそうですが、一般人だと1日かかります。また、部品がなくなったりつけ間違えたりして壊れる原因にもなります。
なので、オーバーホールについては専門業者に依頼しましょう。
自分が知ってる業者は以下。(敬称略)
- 関東:ささき商事(埼玉)、アルバン(東京)
- 中部:WAWA(岡田プロのところ・愛知)
- 関西:マツオカ(大阪)、鳳凰(大阪)
ただ基本的には業務用卓は購入した業者へお願いするのが良いかなと思います。(だいたい面倒を見てくれる。)
あると便利なメンテナンスグッズ
最後にあると便利なお手入れグッズをまとめました。
柔らかいクロス(マイクロファイバー布)
牌を拭く際には普通の雑巾とかでもよいですが、より布目の細かいマイクロファイバー布があると便利です。
牌や枠の乾拭きに最適。繊維が細かくホコリも取りやすい
シリカゲル(乾燥剤)
続いては乾燥剤です。
シリカゲルがあると、ケース内の湿気対策に便利。特に梅雨や夏場はおすすめです。
シリカゲルは化学実験とかで用いられるやつからお菓子とかに入っているやつまで色々あるのでまあなんか使いやすいやつで良いと思います。
パイクリーン:麻雀牌専用の洗浄剤(個人用)
続いては麻雀牌用の洗剤「パイクリーン」です。ユリア樹脂に配慮した素材になっているそう。マツオカさんのショップなどでも買えます!
くりーん45(業務用)
くりーん45という洗剤もあります。こっちはより強くて業務用。
マツオカオリジナルの濃縮洗浄剤。黄ばみ・頑固な汚れ落としに最適。
卓カバー
あとは自動卓などを守る定番アイテムとして卓カバーも重要です。使用後に掛けるだけで、ホコリや日焼けによる劣化を防止。
卓カバーは他にも色々あります↓
終わりに
以上が麻雀用品のお手入れ方法でした。
麻雀牌などは基本的は半永久的に使えるものではありますが、やはり綺麗に長く使えるようにしたいですね。
正しいお手入れで麻雀ライフをいい感じにしていきましょう。
ではまた。良い麻雀ライフを。